「ここに集められた互いに共通点が全くない写真の数々は、この20年の間に撮影したものです。この本に使うことを意図して撮ったものは1枚もありません。私はイメージの順番や形を調整しながら、1枚のイメージに込められた物語と、特に他の写真との関連性から浮かび上がる物語という2種類の物語が持つ可能性を見極めようとしました。本書は、一見すると何の関係もないイメージが相互に作用することから生まれる意味の可能性を見つけ出す試みです。1つ1つのイメージには、本来備わっているけれど表面には表れていない内容が存在します。そのため、鑑賞者の外的および内的なコンディションによってその内容は常に変化し続けるとしても、意味を失うことはないと仮定しました。写真を編集する時には意識的あるいは無意識的に決断をしますが、これが制作で一番大変だったことです。」― フィリップ＝ロルカ・ディコルシア（Philip-Lorca diCorcia）