56 DAYS IN ARLES by François Halard
フランス人フォトグラファー、フランソワ・アラール(François Halard)の作品集。本書は、フランス・アルルにある作家の別荘の一つであるタウンハウス「Hôtel Particulier」での56日間(2020年4月25日〜5月22日)に渡るロックダウンによる隔離生活の期間に撮影したポラロイドが収められた一冊。オーストラリア人アートディーラー兼キュレーター、オスカー・ハンフリーズ(Oscar Humphries)による前書きを収録。作者のInstagramに投稿されたイメージからも分かるように、外の世界と隔てられたこの魅力的な邸宅は、聖域やミューズであり、いつも変わらず慰めを与えてくれる場という新しい役割を担っていた。こうして撮りためられたイメージに形が与えられ、美しい本が出来上がった。これらのポラロイドは、1人のアーティストの隔離生活のユニークな記録であり、自らを取り巻く友人や思い出と結びついたものについての瞑想でもある。
「私はとてもシャイで心配性の子供でした。そういうわけで今でも美しいものを見ていると落ち着いた幸せな気持ちになります。私は幼い頃からずっと人生を美しいものに捧げたいと願ってきました。これらのイメージが他の人にも喜びと平安を与えてくれることを願っています。生活を美しいもので満たすと、生きていこうという気持ちになります。美は魂の薬なのです。」ーフランソワ・アラール
「実際にお会いするずっと前からフランソワの作品が大好きでした。Instagram にアップされた彼のアルルの自宅の写真を見て、私は彼に長年使ってきたポラロイドで撮ってはどうかと提案しました。彼と同じく私もこれらのイメージを沢山の人に届けたいと思いました。私が知る限り一番美しい家を映し出したこれらのポラロイドには、美と彼のものの見方が凝縮されています。昔懐かしいポラロイドは文字通り瞬間を捉えることができます。そしてこのプロジェクトは、コロナによる混乱の最中に行われました。彼にとってポラロイドはロックダウン中に写真を現像できる唯一の手段でもありました。彼ともの、芸術、本との関係性や、特に時間をかけてきちんと向き合った時に美しいものがもたらしてくれる喜びに私はとても共感します。彼のセンスと作品は私に非常に大きなインスピレーションを与えてくれるので、このプロジェクトに係わることができて幸せでした。」―オスカー・ハンフリーズ