1959年から1979年にかけてイタリアで展開した芸術運動「アルテ・ポーヴェラ（Arte Povera / 貧しい芸術）」に関する作品集。2019年にリヒテンシュタイン美術館、2019年から2020年にかけてサン＝テティエンヌ・メトロポール近現代美術館で開催された展覧会に伴い刊行された。

Arte Povera più Azioni Povere― アツィオーニ・ポーヴェレなきアルテ・ポーヴェラなど想像することもできない。

「アルテ・ポーヴェラ」に名を連ねたアーティストたちの作品は主として「行動」によって定義されていた。イメージをふんだんに使い、「アツィオーニ・ポーヴェレ（Azioni Povere / 貧しい行動）」とその特徴を考察する本書は、多様な行動を注釈付きの総作品目録として初めてまとめた貴重な1冊である。さらに包括的なドキュメンタリー写真が当時のイタリアの毒気と活気を伝えている。写真によるエッセイの導入部に次いで個々のアーティストの芸術的実践の特色を紹介するエッセイやテキストが続く。アーティストのアーカイブやエステート、写真家、ギャラリー、コレクターなどから集められた幅広い資料を補完するものとして、同時代の目撃者との議論や、ミュンヘンの「Aktionsraum 1」、トリノの「the Piper Pluriclub」、ローマの「Galerie L'Attico」をはじめとする重要なキーワード、出来事、場所についての説明も収録。