ベルギー出身のフォトグラファー、映像作家であるウィリー・ヴァンダーピエール（Willy Vanderperre）の作品集。本書は、2024年夏にベルギー・アントワープの「モード美術館（MoMu – Fashion Museum Antwerp）」で開催される大規模回顧展に伴い刊行された。展覧会の図録とは別にFANZINE形式で作られたものであり、本展がヴィジュアルエッセイとしてまとめられている。

作者はファッションフォトグラファーとしてその名を馳せ、多くのメゾンブランド、特に長きにわたり「ラフ シモンズ（Raf Simons）」とコラボレーションを重ね、あわせて「i-D」などファッション誌のエディトリアルも多数手がけてきた。

展覧会では、作者が約30年にわたりいかに若者を魅了し、彼らの原動力となってきたかを強調している。自身の写真との対話の中で、作者は自分の世界を発展させ続けてきた重要なインスピレーションの源となっている作品をいくつか選んだ。作者の制作における実践の概説として展覧会と本書は、その視覚言語の進化と同時に、長年「ラフ シモンズ」のヴィジュアルを共に作り続けてきたスタイリストのオリヴィエ・リッゾ（Olivier Rizzo）やラフ・シモンズ（Raf Simons）とのコラボレーションの日々を探っていく。