WOLFGANG STOERCHLE. SUCCESS IN FAILURE by Wolfgang Stoerchle
ドイツに生まれカナダで育ち、アメリカを拠点に活動したコンセプチュアルアーティスト、ウォルフガング・ストークル(Wolfgang Stoerchle)の作品集。
作者は1970年代のアート界で極めて重要な芸術家であり、自身の身体を素材として用いたビデオアートやパフォーマンス作品を通して、カリフォルニアで活動したアーティストの一世代に、あまり知られずとも確実な爪跡を残した人物である。短くも波乱万丈な人生は噂に溢れ、1976年に32歳の若さで急逝したこともその伝説的な人物像をさらに強調したように思える。作品は全て、1965年から1976年の11年間で制作された。死後45年経ってもなお、広く認められることを待ち望みながら、作者の名前は西海岸のアートシーンで漂流し続ける。
作者の人生と作品の幅広い研究を2017年から進め、幾度か展覧会を開催してきた出版者、研究者であるアリス・デュサパン(Alice Dusapin)が著した本書は、作者の作品を収めた初のモノグラフである。ビデオ作品やパフォーマンスを含め、滅多にみられないスカルプチャー、インスタレーション、絵画の記録やエフェメラを収録。
現代音楽作曲家のダニエル・レンツ(Daniel Lentz)、アーティストのポール・マッカーシー(Paul McCarthy)、アーティストであり教育者のマット・マリカン(Matt Mullican)、ペインターのデイヴィッド・サリ(David Salle)、ギャラリストでありキュレーターのヘリーン・ワイナー(Elene Winer)によるインタビュー、アーティストでありフォトグラファーのジェームズ・ウェリング(James Welling)による未公開テキストも掲載。