A LINE OF BEAUTY by Karl Lagerfeld

ラグジュアリーブランド「シャネル(Chanel)」や「フェンディ(Fendi)」のアーティスティック・ディレクターを長きにわたって務めたドイツ人ファッションデザイナーでありフォトグラファーのカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の作品集。2023年5月から7月にかけてニューヨークの「メトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)」のコスチューム・インスティテュートで開催された展覧会に伴い刊行された。本展では、1950年代から生前最後となった2019年のコレクションから厳選した約150点もの衣装が作者のスケッチや映像とともに披露された。

本書は、1960年代と1970年代の「クロエ(Chloe)」と「フェンディ(Fendi)」のデザインから、1980年代以降のシャネルと自身の名を冠したレーベルでファッション業界を牽引した全盛期の頃まで、作者の65年間に及ぶキャリアに焦点を当て、その芸術性を探求する。本展及び本書は、18世紀のイギリス人画家、ウィリアム・ホガース(William Hogarth)が著書『美の解析(原題:The Analysis of Beauty)』で提唱した「線の美しさ(A LINE OF BEAUTY)」から着想を得ており、作者独自の創作プロセスを解き明かす一助として、作者の作品における直線と曲線とその交わりを追求している。

本書のデザインは、イギリスの出版社「IN OTHER WORDS」を主宰するデザイン・スタジオ「OK-RM」が手がける。アーティストのポートフォリオブックを模した羊皮紙と布が施された表紙を開くと、スウェーデン人ファッションフォトグラファー、ジュリア・ヘッタ(Julia Hetta)が捉えた作者の衣装の写真とともにスケッチを紹介する。ドローイングと完成作品が並置されていることにより、作者の天才的な創造性を垣間見ることができる。長年作者とともに密に働いたプルミエール(トップ裁縫師)、米「ヴォーグ」編集長のアナ・ウィンター(Anna Wintour)、フランス人アーティストのパトリック・ウルカード(Patrick Hourcade)、シャネルのクリエイティブ・コンサルタントを務めるアマンダ・ハーレック(Amanda Harlech)、日本人建築家であり本展の展示スペースのデザインを手がけた安藤忠雄らによる寄稿文では、作者との思い出が語られてる。本書は、豪華なオブジェであると同時に、作者に関する重要な資料でもあり、巻末にはその長く輝かしいキャリアを年表と図版で紹介する。

コントリビューター:
安藤忠雄(Tadao Ando)、アニータ・ブライ(Anita Briey)、ステファニア・ダルフォンソ(Stefania D'Alfonso)、 オリヴィア・ドゥシェ(Olivia Douchez)、 アマンダ・ハーレック(Amanda Harlech)、 パトリック・ウルカード(Patrick Hourcade)、メリッサ・ヒューバー(Mellissa Huber)、ニコル・ルフォー(Nicole Lefort)、 カイ・トゥーサン・マルセル(Kai Toussaint Marcel)、ジャクリーヌ・メルシエ (Jacqueline Mercier)、ロイック・プリジェント(Loïc Prigent)、 アナ・ウィンター(Anna Wintour)、 ジュリア・ヘッタ(Julia Hetta)

by Karl Lagerfeld

REGULAR PRICE ¥13,750  (tax incl.)

hardcover
436 pages
241 x 304 mm
color, black and white
2023

published by THE METROPOLITAN MUSEUM OF ART

published by YALE UNIVERSITY PRESS