ALVAR AALTO IN GERMANY: DRAWING MODERNISM by Alvar Aalto, Elissa Aalto

フィンランド人建築家アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)と、エリッサ・アアルト(Elissa Aalto)の作品集。ベルリンの「チョーバン財団建築ドローイング美術館(Tchoban Foundation Museum for Architectural Drawing)」で開催された展覧会に伴い刊行された。作者は最も多作であり広く評価されているモダニストとして挙げられる建築家であるが、同時に光と天然素材を巧みに扱い、風景と建築物と都市空間を密に結びつけることに長けており、「人間らしさを感じる(humane)」モダニズムというコンセプトのもと、世界的に名が知られている。

本展は、フィンランドの「アルヴァ・アアルト財団(Alvar Aalto Foundation)」との協働のもと開催されており、夫妻とアアルトの名を冠した建築設計事務所による70点以上のオリジナルのドローイング作品が展覧された。そして同事務所が手がけたドイツでのプロジェクト全14作に由来するドローイングが、本展で初めて一堂に会することとなった。アルヴァ・アアルトが第二次世界大戦後の大規模な(再)建設に寄与するために招かれた1950年代から、1976年にアルヴァが他界したことにより未完のまま残されてしまった主要プロジェクトを妻であるエリッサが大胆に完成させた1980年代にいたるまで、ドローイング作品は多岐にわたる。

事務所のメンバーにとって、創造的なプロセスを維持し続けるにあたり、紙というものは基本的な物質であった。ドローイングは芸術ではない。美しくあるが、決して自意識の強いものではなく、希少なものでもない。その視覚的な魅力は、デザインにおけるプロセスの目的地ではなく、副産物なのである。まとまりがなく、共同作業の跡が見られ、自然発生的であるその性質は、アアルト事務所のドローイングを見ればすぐに気づくことができる。思考における物質的な痕跡として、彼らのドローイングは率直であり、濃密であり、そして否応なしにその魅力を放っている。

by Alvar Aalto , Elissa Aalto

REGULAR PRICE ¥6,600  (tax incl.)

hardcover
168 pages
170 x 235 mm
color, black and white
2023

published by TCHOBAN FOUNDATION