A WOMAN I ONCE KNEW by Rosalind Fox Solomon

アメリカ人フォトグラファー、ロザリンド・フォックス・ソロモン(Rosalind Fox Solomon)の作品集。テネシー州の都市チャタヌーガに住んでいた38歳の時、作者は写真家として新たな人生を歩み始めた。1970年代初頭、オーストリアに生まれアメリカで活動したフォトグラファー、リゼット・モデル(Lisette Model)に師事し、その後の半世紀に生み出す驚異的な作品群を決定づけることになる写真表現に磨きをかけた。1984年にニューヨークのロフトに移り住み、ペルー、インド、南アフリカ、カンボジアなどを旅した後、世界中の日常を撮影したゆるぎない写真作品でその名が知れ渡った。

同時期、作者はセルフポートレートを制作していた。写真を執拗なまでに内省の手段として捉え、老いていく肉体の進化を50年にわたって研究し、カメラが与える自己疎外を受け入れていた。本書は、このセルフポートレイトを作者自身によるテキストとともにまとめている。イメージと文章が織りなす野心的なコンビネーションは、独特な自叙伝として形作られている。作者の文章は、その非凡な人生を明らかにし、写真に対する共感的なアプローチを形成した他文化における断続的な憂鬱と陶酔的な経験を暗に示している。その文章と、示唆的である自画像は、何かを孕み仄めかすような対話をしている。この比類なき写真家が生み出した今作は、自己を被写体とすることの無限の可能性を示しながら、自省することの過酷さと繊細さを見せている。

by Rosalind Fox Solomon

REGULAR PRICE ¥13,750  (tax incl.)

softcover
264 pages
260 x 380 mm
color, black and white
2024

published by MACK