レバノン系アメリカ人アーティスト、エッセイスト、詩人、学者であるエテル・アドナン（Etel Adnan）の作品集。2022年3月から5月にスペインのテネリフェ島の美術館「テネリフェ・スペース・オブ・アーツ（Tenerife Espacio de las Artes）」で開催された展覧会に伴い刊行された。作者は、文学作品のほかに、映像、油絵、タペストリーなどのヴィジュアル作品も制作した。スペインで初めて開催された作者の回顧展では、1960年代以降に制作された60点以上の作品が展示され、過去20年間の作品に重点を置いて紹介する。絵画、ドローイング、レポレロ（アコーディオン製本の書籍）、陶芸、テキスタイル、映像など、作者が駆使したすべてのメディアを網羅している。これらは、初期の純粋な幾何学的抽象表現から、1970年代の風景画の解釈まで、作者の作風の進化が色濃く反映されたコレクションとなっている。