CONTACT HIGH by D’Angelo Lovell Williams
アメリカ人フォトグラファー、アーティストのダンジェロ・ロベル・ウィリアムズ(D’Angelo Lovell Williams)の作品集。本書はアーティストブックであると同時に、作者のこれまでの作品を包括的に探究した一冊で、欲望の視覚化と黒人の身体の描写に幅広く取り組んでいる。作者による物語性を持ったイメージは、黒人のクィアの人々がお互いの生活の中でどのように存在するか、また歴史的に存在してきたか、その様々な形を、シッターや恋人、ケアワーカー、あるいは影として描くことで表現している。これらの人々の人生経験や物の見方に対する疑問、より幅広く人種や階級、セクシュアリティ、ジェンダー、そして親密さの表現にまつわる問いかけによって作者の制作は導かれている。本書のタイトルとなっている「Contact High」は、作者の作品における触れることやジェスチャーの重要性に言及すると同時に、感覚の高まりや直感的な身振りを暗示している。
セルフポートレートから他のコミュニティとの協働まで、作者の写真は演劇的かつダンスのような、時には日常のありふれたシーンにおける黒人の身体を視覚化し、共同体の歴史と黒人コミュニティが受け継いできた慣習を提示する。親密で対話的なこれらのイメージの中核には、親族関係や精神性の概念が、ひそかな政治性と過激さを伴ったジェスチャーと共に織り込まれている。作者の揺るぎない視線は黒人やクィアのコミュニティに対する認知度と敬意を主張し、その影響力が権威となる情景を作り出している。家族、文化、友人、恋人、そして先祖とその子孫の間で繰り広げられる関係性が、心遣いや優しさ、脆弱さといった曖昧な領域として視覚化され、歴史を語る中では見落とされがちな人生の複雑なニュアンスを物語っている。