EARLY AND LATE by Robert Ryman

アメリカ人アーティスト、ロバート・ライマン(Robert Ryman)の作品集。1960年代初期における形成期の作品群と共に、晩年の絵画シリーズまで幅広く紹介する一冊。1960年代、その先鋭的で独創的な作品が繰り広げる幅広いパラメーターを着実に作者は確立し始めた。当初、1960年代後半から1970年代前半にかけて制作された作品で世に名が知られたため、初期の絵画作品はあまり注目されてこなかった。

本書は、ジャズ・ミュージシャンとしてのキャリアが影響及ぼしているこの時期における、画家としての活動の多くの側面を覗かせる作品群を収録する。中には、伸ばしたキャンバス、伸ばさないキャンバスの両方に描かれた、絵の具を厚く盛り上げて描くインパスト技法のブラシストローク、大小両方のフォーマットを用いた重厚な、あるいはまばらに描かれた作品、そしてあまり目にすることのないリネン生地に描かれた作品群を収録。1作品、あるいはいくつかの作品をもって成したものなど、いずれも独立したコンポジションを特徴としている。作品の多くは、色彩豊かな下絵が示す機微なニュアンスを特徴としており、それが鑑賞体験に大きな影響を与えている一方、他の作品では、ライマンは緑、赤、青を積極的に使用しながら様々な白の色調が織りなす視覚的存在感を強めている。

初期の作品と同時に制作されたドローイングとともに、後期のペインティングも収録されており、その幅広さが見て取れる。最後のキャンバスは、50年にわたるキャリアの中で、絵画に対する独特なアプローチが見せる無尽蔵かつ探求的な性質を示している。細部は、先述したさまざまな白の色調その特徴を強く表し、作品の多くを特徴づける色彩・不在・次元性がもたらす効果がその相互作用を生み出している。

作家であり評論家のジェフリー・カストナー(Jeffrey Kastner)、美術評論家でありキュレーター、活動家のルーシー・リッパード(Lucy Lippard)、キュレーターであり、作家、近現代美術コンサルタントであるディーター・シュヴァルツ(Dieter Schwarz)がテキストを寄せる。

by Robert Ryman

REGULAR PRICE ¥15,400  (tax incl.)

hardcover
192 pages
225 x 300 mm
color
2024

published by DAVID ZWIRNER BOOKS