EVIDENCE by James White

イギリス人アーティストのジェームズ・ホワイト(James White)の作品集。本書は、アメリカ人アーティスト、マイク・マンデル(Mike Mandel)とアメリカ人フォトグラファー、ラリー・サルタン(Larry Sultan)による、1977年に初版が発行された『Evidence』を元に、作者がデジタルコラージュやマニピュレーションを施した写真群を収録している。

サルタンとマンデルは、『Evidence』の制作にあたって100以上にのぼる米国政府機関のアーカイブを利用した。その中から59枚を独自の解釈で選び、元の文脈から切り離して編集し、コンセプチュアルかつクラシックでありながら独創的な優れた写真集の一つの形として完成させた。機能的な文書として意図された無機質なイメージの中にシュールな文脈を見出して示唆することによって、それらのイメージが本来支えているドキュメンタリー性を覆し、疑問を投げかけた本作は、多大な影響力を持つ傑作である。

Evidenceは、作者がその名を知られるようになった代表的な手法である、グレースケールの写真を用いた絵画作品のための参考文献であり続けている。本書においては、サルタンとマンデルによるこの著名なプロジェクトに敬意を表し、作者は介入と絵画的なジェスチャーのプロセスを通して、写真というメディアの「evidence」、つまり証拠としての性質をさらに弱め、変化しやすいイメージの表面を破壊し、再構築している。

by James White

REGULAR PRICE ¥14,300  (tax incl.)

hardcover
104 pages
240 x 320 mm
black and white
2022

published by MACK