メキシコ人アーティスト、ダミアン・オルテガ（Damián Ortega）の作品集。2022年10月から2023年2月までスペインの私設現代美術館「ボティン・センター（Centro Botín）」で開催された展覧会に伴い刊行された。

現代美術界で頭角を現す以前、作者は政治漫画家であった。この転身は直感的なものであり、彫刻やインスタレーション作品は、かつての職業において必要だった鋭い風刺の目を保っている。コーラのボトルや、最も知られた作品のひとつであるフォルクスワーゲン・ビートル（Volkswagen Beetle）など、商業製品を文字通り解体し、再構成した彫刻作品は世界的に高い評価を受けている。図、顔、言葉、建物をウィットに富んだ表現にまとめ上げる正確な配置でヴァナキュラーな物質を提示する。作品の多くは空中に吊り下げられており、オブジェとオブジェの間に空間があるため、結果として断片的な表現に見える。本書では、この宙に吊り下げられた一連の作品を紹介する。