FISH STORY by Allan Sekula

アメリカ人フォトグラファー、理論家、映像作家である、アラン・セクーラ(Allan Sekula)の作品集。1989年から1995年と6年をかけて完成した本書では、作者が作家人生をかけた現代の「批評的リアリズム」の追求がその最も複雑な表現に到達するところを、我々は目の当たりにする。伝統的なドキュメンタリー写真について批評的な立場をとりながら、本書は写真表象におけるリアリストのモデルを再構築している。また本書は、グローバリゼーションにおける重要な空間である「海」について探求しており、作者にとっては初の長期的研究となった。本書において重要な点は、貨物船の動きと世界産業経済の国際化の成長、この2つの視点が交わること、そして同時に実際の港湾部における社会空間へのその影響である。このような測り得ない複雑性とグローバルな視点に、あるいは1980年代終わりから1990年代初頭にかけてのポストモダニズムの理論や実践における主要な風潮に向けた断固たる挑戦に本書のエネルギーは向けられているのである。初版が発売した1990年初頭にもまだ見られ広く浸透していた諦めや皮肉の文化から、アート界における新しく革新的な取り組みの一つへと徐々にシフトしていく重要な転換点を捉えている。本作は長らく絶版となっていたが、ロンドン大学東洋アフリカ学院の教授であるラーレ・ハリーリ(Laleh Khalili)による序文を添え、再版された。

by Allan Sekula

REGULAR PRICE ¥7,150  (tax incl.)

softcover
296 pages
220 x 280 mm
color, black and white
2018

published by MACK