FULL HOUSE by Frédéric de Goldschmidt
ベルギー・ブリュッセルの中心街にある建物で、5年間に渡って開催された2つの展覧会をまとめた作品集。両展覧会では、フランス人コレクター、フレデリック・デ・ゴルトシュミット(Frédéric de Goldschmidt)のコレクションから300点以上が展示された。
最初の展覧会「Not Really Really」は、2016年に開催され、数カ月前に精神科クリニックが退去したばかりの建物で行われた。展示作品のほとんどが日用品で制作された彫刻作品であり、前入居者が残していったものと作家たちが意図的に作り出したものとの境界線の曖昧さと戯れているようであった。
その後、建物は長期にわたり改修工事が行われ、本書内にその様子も写真で紹介している。2つ目の展覧会「Inaspettatamente (Unexpectedly)」は、秩序と無秩序、時間、分類、作家の制作プロセス、世界の紛争におけるアーティストの位置づけなどのテーマを、イタリアの芸術運動「アルテ・ポーヴェラ(Arte Povera)」で有名なイタリア人アーティスト、アリギエロ・ボエッティ(Alighiero Boetti)のプリズムを通じて取り組んでいる。
本書には、フランス人キュレーターである美術批評家のニコラ・ブリオー(Nicolas Bourriaud)やフランス人キュレーターのグレゴリー・ラング(Grégory Lang)などのキュレーターによる寄稿文や作品の図版、展示風景が数々収録されており、両展覧会通じて発見があり、概観することができる。
収録アーティスト:カデル・アッティア(Kader Attia)、アリギエロ・ボエッティ(Alighiero Boetti)、ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)、ハンネ・ダルボーフェン(Hanne Darboven)、モナ・ハトゥム(Mona Hatoum)、アンネ・イムホフ(Anne Imhof)、イミ・クネーベル(Imi Knoebel)、ソル・ルウィット(Sol LeWitt)、 リチャード・ロング(Richard Long)、 ピエロ・マンゾーニ(Piero Manzoni)、ブライス・マーデン(Brice Marden)、アグネス・マーティン(Agnes Martin)、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)、ローズマリー・トロッケル(Rosemarie Trockel)、ローレンス・ウェイナー(Lawrence Weiner)、他