GENAZZI. OGGETTI IN ARGENTO, 1930-1960 by Luigi and Eros Genazzi [NUMBERED]

イタリア人アーティストのルイジ・ジェナッツィ(Luigi Genazzi)とエロス・ジェナッツィ(Eros Genazzi)の作品集。2024年5月から6月にかけてローマの「Galleria Giustini / Stagetti」で開催された展覧会に伴い刊行された。現代美術史、近代装飾美術史を専門とする作家のヴァレリオ・テッラローリ(Valerio Terraroli)による批評的エッセイとともに、この前衛的な作品の年代的かつ様式的な定義を読み解くことができる。

銀細工職人である父ルイジと息子エロスの親子の作品を紹介する本展は、親子二代で営んでいたミラノの製造会社における研究に捧ぐものであり、フォルムの進化と作品の構造や表面の処理における実験的な技術を紹介する。

二人は職人としての伝統全体を巻き込みながら様式の刷新へと導き、近代の様式を肯定する中で最も首尾一貫し洗練された逸話に生命を吹き込み、20世紀イタリアの装飾芸術史と工業デザイン史における最初の、そして最も重要な瞬間を構築することに貢献した。そして、19世紀後半には、イタリアを代表するデザイナーとなったのである。

彫金師、メダル意匠家として多忙な日々を送った後、ルイジは銀細工職人、彫刻家となり、1920年代半ばにはすでにロンバルディアにおいて最高峰の職人技を持つ人物として頭角を現していた。その線の優美さ、応用、装飾モチーフの精密さにおける評価は高いものであった。1929年には息子のエロスがデザイナーとして父が営む会社へと参画し、ミラノに 「Laboratorio Artistico Industriale di Cesello, Incisione e Argenteria」を設立した。ここから、建築家で工業デザイナーのジオ・ポンティ(Gio Ponti)、建築家のジョゼッペ・パガーノ(Giuseppe Pagano)、デザイナーのコッラード・コッラディ・デッラクア(Corrado Corradi dell’Acqua)、建築家のイニャツィオ・ガルデッラ(Ignazio Gardella)といった作家たちとの数々のコラボレーションを行い、その協働が二人を色付け、父と息子の強烈な相乗効果が生まれる物語が始まったのである。

その結果、前衛的な作品が生まれ、1960年代まで活動は続いた。この成功は、伝統的な銀細工職において前例がなかった彼らの解釈によって導かれたものであり、装飾美術の優美さを形にする熟練の技術と、洗練され明確で根本的な20世紀における「語彙」が融合したものであったのだ。

by Luigi and Eros Genazzi

REGULAR PRICE ¥16,500  (tax incl.)

softcover
120 pages
212 x 282 mm
color
limited edition of 300 copies
2024

NUMBERED

published by GIUSTINI / STAGETTI GALLERY