1973年から1975年の間にイタリアで展開した、領域を横断した実験的なデザイン教育プログラムである「Global Tools」の活動を記録した作品集。「学生と教師の不在」を掲げたこのプログラムは、1960年代後半から70年代にイタリアで活動した建築家、デザイナーの集団「Radical Architecture」、1959年から1979年にかけてイタリアで展開した芸術運動「アルテ・ポーヴェラ（Arte Povera / 貧しい芸術）」、コンセプチュアル・アートの世界で活躍したグループやアーティスト、デザイナー等が設立し、3年間にわたって集中的な実験活動が行われた。本書は、国際的に活躍する作家によるエッセイ、初めて全面的に再掲される「Global Tools」の会報を含む多くの資料の複製を掲載した解説書であり、印象深い視覚的なアーカイブとなっている。20世紀後半のヨーロッパにおける最も魅力的な文化体験の一つを再発見するために重要な記録である、ユニークかつ決定版と言える一冊。