イギリス人アーティスト、サラ・ルーカス（Sarah Lucas）の作品集。2023年9月から2024年1月までロンドン「テート・ブリテン（Tate Britain）」で開催されている展覧会に伴い刊行された。彫刻からインスタレーション、写真作品まで、作者の作品の多様性を詳細に見ることができる一冊。

作者は、材料と心象を刺激的に用いた作品で国際的に知られている。過去40年間にわたり、世の中のありふれたものを思いがけない方法で混ぜ合わせ、我々が持つセックスや階級、性別に対する解釈に挑み続けてきた。

本書は、作者が台頭した1990年代の「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト（Young British Artists / YBAs）」世代の先にあるものを見据えながら、展示のテーマと作品を研究した成果である。猥褻なユーモアと大胆な斬新性をもって、作者は人間であることの本当の意味、そしてそのすべての面を見せてくれるのだ。

現代美術の放送者であり作家のルイーザ・バック（Louisa Buck）、ジャーナリストであり編集者のナタリー・オラー（Nathalie Olah）、作家であり翻訳者のローレン・エルキン（Lauren Elkin）らが寄稿、そのテキストが作者の世界をより我々に深く探究させる。