KÜNSTLERPORTRAITS by Helga Paris
ドイツ人フォトグラファー、ヘルガ・パリ(Helga Paris)の作品集。モダニズムの絵画や初期のソビエト連邦、イタリア、フランス映画で鍛えられた感性を持ち、演劇や詩の影響を受けながら独学で学び、45年間に渡って繊細なニュアンスが感じられる幅広いモノクロ写真を撮り続けてきた。衰退の一途をたどっていた1980年代のハレの旧市街を記録することでGDRの終焉を予感させた「Diva in Grau」で一躍有名になったことでも知られる。
作者のポートレイトの大きな特徴は、被写体がアーティストとしても1人の人間としても作者に大きな信頼を寄せていることが伝わってくることである。被写体は自分の胸の内をさらけ出し、人生に招き入れた。その作品には、作家のクリスタ・ヴォルフ(Christa Wolf)やエルケ・エルプ(Elke Erb)、画家のシャーロット・E・ポーリー(Charlotte E. Pauly)の私生活の一場面から、文芸とは程遠い、労働者が住む街だったベルリンのプレンツラウアー・ベルクとその住人まで、様々な人物が登場する。
作家のゲルハルト・ヴォルフ(Gerhard Wolf)とキュレーターで美術史家のオイゲン・ブルーメ(Eugen Blume)のテキストを収録。ドレスデンのレオンハルディ美術館(Leonhardi Museum)で開催された個展を機に、今回初めて東ドイツ(GDR)のアーティストや作家のポートレイトが写真集として出版されることになった。
by Helga Paris
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