アメリカ人アーティスト、リチャード・ノナス（Richard Nonas）の作品集。作者は1970年代に確立されていたミニマル・アートに対抗できるものを新たに生みだそうと活動したアーティストの一人である。その輪には彫刻家だけでなくミュージシャンやダンサーも含まれており、芸術が持つパフォーマンス的側面や感情的な体験、エネルギーが満ちる空間に興味を惹かれていた者たちであった。作者はニューヨークのスタジオを拠点に、彫刻作品の制作のためアメリカやヨーロッパのギャラリーや美術館を絶えず巡った。たとえ辺鄙な場所であろうと赴いたのは、自分の作品を新たなコンテクストに置くことに強い関心を持っていたためである。

作者の初のモノグラフとして、本書はその作品の時系列順の概説と共に、本人によって撮影された彫刻作品の写真群と自身が執筆したテキストと共に収録。英語版。