MATISSE: INVITATION TO THE VOYAGE

フランス人アーティスト、アンリ・マティス（Henri Matisse）の作品集。2024年9月から2025年1月までバーゼル郊外のリーヘンに建つ「バイエラー財団（Fondation Beyeler）」で開催された回顧展に伴い刊行された。初期の「フォーヴィスム（野獣派）」が色濃く現れている作品から華やかな切り絵作品まで、世に革新をもたらした作品群を巡る旅へと我々を誘う。

本書のタイトルは、作者が生前繰り返し言及したシャルル・ボードレール（Charles Baudelaire）の詩「旅への誘い」（1857年）に由来する。その詩に倣い、「旅」というものが重要な役割を果たした中で生まれた作品群と作者の人生を巡る旅として本書は構成されている。本書は作者の実践における様々な波を航海している。1900年前後の初期の絵画から始まり、1910年代の革命的な「フォーヴィスム」作品、1930年代にニースで過ごした時代の官能的な絵画作品を辿り、1940年代後半から1950年代の伝説的となる存在感を示したシルエット作品にまで読者を導いていく。ここに収録する重要な数多くの絵画、彫刻、シルエット作品は、卓越した作品群がいかに発展してきたか、またその豊かさを明らかにする。