MÉLAINA CHOLÉ by Cristiano Volk

イタリア人フォトグラファー、クリスティアーノ・ヴォルク(Cristiano Volk)の作品集。「黒い」を意味する古代ギリシア語の μέλας(melas) と「胆汁」を意味する χολή(kholé) から名付けられた本書『Mélaina Cholé』は、古代ギリシアを代表する医学者、ヒポクラテスが提唱した「四体液説」を写真で表現した作品。体液病理説とは、人の身体には数種類の体液があり、その調和によって身体と精神の健康が保たれバランスが崩れると病気になるとする考え方である。紀元前4世紀の「医学の父」ヒポクラテスは、血液、黒胆汁、黄胆汁、粘液という4つの体液のバランスが適切に保たれているかどうかで健康状態が決まると考えた。この作品で作者は四大元素の「地」に相当し、土のように冷たく乾燥いているとされる黒胆汁に注目している。本書には、宇宙から見た地球、人体の細胞、当時の人相学の理論に沿った人の顔のイメージが登場する。体液病理説は心理学に初めて性格の類型論をもたらし、ヒポクラテスの説は17世紀になっても広く普及していた。四体液説の影響は現代の言葉にも様々な形で残っている。例えば心臓は感情、中でも愛情、詩的な表現で言えば「生命の息吹」が宿る場所とされている。黒胆汁の過剰によって引き起こされると考えられていた憂鬱(Melancholia)は、悲しみの感情やうつ病を意味する。最近の研究によれば、2030年にはうつ病が世界で最も蔓延している疾病になると言われている。

by Cristiano Volk

REGULAR PRICE ¥4,000

hardcover with 2 posters
64 pages
203 x 153 mm    
color
limited edition of 500 copies
2020

published by YOFFY PRESS