MINING PHOTOGRAPHY: THE ECOLOGICAL FOOTPRINT OF IMAGE PRODUCTION

画像の制作に使用される資源の物質的な歴史を辿る作品集。本書は、2022年7月から10月にかけて「ハンブルク美術工芸博物館(Museum für Kunst und Gewerbe Hamburg)」で開催された展覧会に伴い刊行された。写真は常に、いわゆる自然の原材料の採取と利用に頼ってきた。19世紀から20世紀にかけて、銅、石炭、銀、紙といったアナログな画像素材から始まった写真は、スマートフォンの時代においては、コルタン、コバルト、ユーロピウムといった希土類元素や金属に頼っている。この展覧会では、写真に利用される主要な原材料の歴史に焦点を当て、その採掘の歴史、廃棄、気候変動との関連性を確立している。歴史的な作品や現代作品を見ながら、産業生産の歴史としての写真を語り、この媒体が人間による自然の変化に深く関わっていることを実証している。本展では、イグナシオ・アコスタ(Ignacio Acosta)、リサ・バーナード(Lisa Barnard)、F&Dカルティエ(F&D Cartier)、スザンネ・クリーマン(Susanne Kriemann)、メアリー・マッティングリー(Mary Mattingly)、ダフネ・ナン・ルセルジャン(Daphné Nan Le Sergent)、リサ・レーヴ(Lisa Rave)、アリソン・ロシター(Alison Rossiter)、メタボリック・スタジオ(Metabolic Studio)の光学部門、ロバート・スミッソン(Robert Smithson)、サイモン・スターリング(Simon Starling)、アナイス・トンドル(Anaïs Tondeu)、ジェームズ・ウェリング(James Welling)、ノア・ヤフ(Noa Yafe)、トビアス・ツィローニ(Tobias Zielony)などの写真家やアーティストによる現代作品と、エドワード・クリスチャン・アルニング(Eduard Christian Arning)、ヘルマン・ビオウ(Hermann Biow)、 オスカー&テオドール・ホフマイスター(Oscar and Theodor Hofmeister)、ユルゲン・フリードリッヒ・マート(Jürgen Friedrich Mahrt)、ヘルマン・ライヒリンク(Hermann Reichling)などの歴史的作品が展示された。またドイツ・レーヴァークーゼンの「Agfa Foto-Historama」、米国・ロチェスターの「Eastman Kodak Archive」、アントワープの「FOMU Photo Museum」からの歴史資料、「ベルリン自然科学博物館(Museum für Naturkunde, Berlin)」のコレクションからアレクサンダー・フォン・フンボルト(Alexander von Humboldt)が集めた鉱物標本など、多くの資料も展開されている。

寄稿者:
シヴォーン・アンガス、ナディア・ボザック、ボアズ・レヴィン、クリストファー・リュッツェン、ブレット・ニールソン、クリストフ・リッバ、エスター・ルエルフス、スヴェン・シューマッハ、カレン・ソリー、ジュリア・ヴィーデンマン

REGULAR PRICE ¥7,700  (tax incl.)

softcover
176 pages
190 x 250 mm
color, black and white
2022

published by SPECTOR BOOKS