スペイン人ライターであり反差別主義者、フェミニスト、LGBTI活動家のブリジット・ヴァサロ（Brigitte Vasallo）の作品集。

「一夫一婦制は、より多くの人と性行為を行ったり、より多くの人と同時に恋に落ちたりすることによって解体されるのではなく、別の方法で人間関係を構築することによって解体される。より多くの人とセックスし、より多くの人と同時に恋に落ちることができるような関係を、途中で誰も壊れることなく築くことができる。」

一夫一婦制は近代において中心的な役割を果たし、我々の愛、人間関係、家族に関する概念を形成してきた。作者は本書の中で、愛のメカニズムが自由に選択されるのではなく、社会や個人の規範にいかに深く根ざしていることを探る。

スペイン語で出版され、今や世界的なベストセラーとなったこの画期的なテキストは、排他性、所有、ヒエラルキーの規範に基づく国家、国民、アイデンティティの概念が、いかに一夫一婦制と絡み合っているかを明らかにする。社会的・感情的組織というレンズを通した広範な歴史的研究をもとに、西洋社会における最も強固な柱のひとつに挑んでいるのである。エロティックな関係であれ、家族的な関係であれ、共同体的な関係であれ、我々の関係を根本的に変革する可能性を明らかにし、異なる世界のための新たな包括的なアプローチを指し示している。

本書は「SPBH EDITIONS」が刊行する「Body/Politics」シリーズの一つであり、人種的アイデンティティ、セクシュアリティ、政治との関わりにおいて、人間の身体に関するこれまでにない型を破るようなアイデアに関するエッセイを紹介する。