MONUMENTS OF SOLIDARITY by LaToya Ruby Frazier

アメリカ人アーティスト、ラトーヤ・ルビー・フレイジャー(Latoya Ruby Frazier)の作品集。2024年5月から9月にかけて「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」で開催されている展覧会に伴い刊行された。

作者自身でその力強い写真群を個人的に組み直し、黒人労働者階級のコミュニティにまつわる無数もの社会的、政治的闘争を写し出した一冊。

アーティストであり活動家でもある作者は、20年以上にわたり写真や文章、映像、パフォーマンスを用い、ポストインダストリアル(脱工業)時代において忘れ去られた労働やジェンダー、人種のナラティブを蘇らせ、保つすることに務めてきた。1930年代の社会ドキュメンタリーが遺した流儀、1960年代と1970年代のコンセプチュアル・フォトの進出、アプトン・シンクレア(Upton Sinclair)、ジェームズ・ボールドウィン(James Baldwin)とベル・フックス(Bell Hooks)といった社会的意識の強い作家たちの作品を土台に作者はその活動を発展させた。本書は、産業化とその荒廃、人種的ないし環境的不公平、ジェンダー格差、医療や清潔な水へのアクセスの不平等、基本的人権の否定に立ち向かい、主張し続ける創造性とコラボレーションを讃えている。黒人のフェミニスト的世界を築くひとつの形として、作者の斬新な「労働者の思想のための記念碑」は、労働と労働者階級の歴史において女性と有色人種が成し、そして今もなお果たし続けている大きな役割を認めることを要求している。

本書は、作者による初の包括的かつ概説的な展覧会の開催に伴い出版され、ほとんど公開されたことのない、あるいはまったく新しい作品群を含め、作者の活動の全域にわたって紹介する。本展示のキュレーターであるロクサーナ・マルコシ(Roxana Marcoci)がその全体像を明らかにしたエッセイ、作者によるマニフェスト、他のキュレーターや研究者陣による細部にまで注目した一連のエッセイを収録する。

ロクサーナ・マルコシがテキストと共に編集を手がけ、その他のテキストを作者、美術史家であるエミリー・ブーン(Emilie Boone)、作家でありキュレーターのカーソン・チャン(Carson Chan)、キュレーターであり研究者のオルレミ・C・オナバンジョ(Oluremi C. Onabanjo)、写真史家であるデルフィーヌ・シムズ(Delphine Sims)が著した。

by LaToya Ruby Frazier

REGULAR PRICE ¥16,500  (tax incl.)

softcover
256 pages
240 x 305 mm
color
2024

published by THE MUSEUM OF MODERN ART (MoMA)