MY KINGDOM by Txema Salvans

スペイン人フォトグラファー、チェマ・サルバンス(Txema Salvans)の作品集。本書は作者の母国スペインの現代の社会情勢に対する鋭い洞察と、権力志向の風潮に対する皮肉めいた見解を写し出している。作者は元スペイン国王、フアン・カルロス1世(Juan Carlos I / 在位:1975-2014年)の演説を引用しながら、地中海沿岸で余暇を楽しむ市民たちの姿をモノクロ写真で描く。権力と欲望にまみれたフアン・カルロス1世の演説は、温厚で物腰柔らかな民主主義の国王を軽妙に演出している。反体制的なイメージとテキストとの組み合わせにより、砂浜で過ごす人々の身振りや感情を通じ、言語は社会政治的なフィルターのような役割を果たしている。その人々が浮き彫りにするのは、自らの持つ小さな主権をさらけ出す人々の希望や怠惰や攻撃性である。昼寝をし、食事をし、日光浴をし、遊び、愛し合い時に苦しむ自由、そして人間一人一人の独自性が見て取れる。権力は、具現化され制定されたものとしてそこに在り、国王の演説へ浸透し「本当」のスペインが垣間見える浜辺や開発住宅地区での一般市民の対話に影響を及ぼしている。別冊のブックレットには、サッチャー、ムッソリーニ、チャーチル、そしてチャプリンの『独裁者』を含む政治家の演説の抜粋を収録しており、どの内容もそれぞれの権威主義を民衆に主張した内容であることが分かる。

by Txema Salvans

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softcover
176 pages
175 x 230 mm
black and white
2018

published by MACK