NIHILISM IS LOVE by Steven Parrino

アメリカ人アーティスト、スティーヴン・パリーノ(Steven Parrino)の作品集。1980年代にニューヨークで最も影響力の高い画家の一人として、またミュージシャンとして活動した作者の作品は、様々なサブカルチャーのムーブメントを取り入れており、20世紀以降の美術の歴史に言及し、独自の視覚的言語を確立してきた。その作品の底流には、アメリカのバイカーカルチャーに根付く、自由に対する絶対的な意思とパンクロックが持つ実存主義の影響がある。

同時に、作者の取り組みは1980年代のポストモダニズムの流れに見られる「なんでもあり」の姿勢とは相反する。抜群に質の高い革新的な力を生み出す作者の表現において、信頼性と形にする意思が合わさり、インスタレーションや音楽、映画、著作において明確に表れている。また、アンダーグラウンドコミックや、バイク界で台頭した象徴的な「言語」である「カスタム・カルチャー(Kustom Kulture)」からの引用は、作者の初期のドローイング作品において主要なテーマとなっており、また「ラディカル・ペインティング」の傾向がみられるモノクロで描かれた絵画のシリーズも、同時に確立させていった。

1980年代半ば以降、作者が抱く芸術的かつ思想的な信念は、その特徴的とも言える手法として確固たるものとなった。まずキャンバスをモノクロで塗り、それをストレッチャー(木枠)から外し、ねじる・傷をつける・くしゃくしゃにするなど何かしらの「改造」を加える。そして再び取り付け、新たな立体的「絵画」を生み出すのである。

本書は、作者にとって初めての包括的な作品集となる。

by Steven Parrino

REGULAR PRICE ¥7,150  (tax incl.)

hardcover
208 pages
254 x 216 mm
color, black and white
2020

published by WALTHER KÖNIG