PICTURING MOTHERHOOD NOW
2022年にアメリカ・オハイオ州「クリーブランド美術館(Cleveland Museum of Art)」で開催された展覧会に伴い刊行された作品集。本展覧会はさまざまな現代アーティストの作品を集め、様々なフェミニズムの考えに基づき「母性」という言葉を多義的なものとして解釈。母性の原型というものを探ることで「母性」を表現する可能性を再考する。本書では、過去20年の間に製作されたジデカ・アクーニーリ・クロスビー(Njideka Akunyili Crosby)、ラトーヤ・ルビー・フレイジャー(Latoya Ruby Frazier)、タイタス・カファー(Titus Kaphar)、アリザ・ニセンバウム(Aliza Nisenbaum)をはじめとした30人の現代アーティストによる絵画、彫刻、写真、インスタレーション作品に加え、ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)、 アリス・ニール(Alice Neel)、 ベティ・サアー(Betye Saar)といった、フェミニストのパイオニア的存在であるアーティスト陣の作品を収録。現代社会における問題、例えば家族やジェンダーの定義の変化や、奴隷制度の歴史とその余波、移民の遺したもの、母系制をたどる先住民文化の維持などを検証するべく、あらためて母性を探求する。
エッセイでは母性と現代アートの次元を検証し、現代文化における母性への理解を深めている。「母性」を現代の社会問題を検証するためのレンズとしてとらえる、世代を超えたアーティストたちの眼差しが感じられる1冊。
参加作家:
メキッタ・アフジャ(Mequitta Ahuja)、ジデカ・アクーニーリ・クロスビー(Njideka Akunyili Crosby)、フィレレイ・バエズ(Firelei Báez)、ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)、カロリーナ・カイセド(Carolina Caycedo)、 アンドレア・チョン(Andrea Chung)、ザカリー・ドラッカー(Zackary Drucker)、ラトーヤ・ルビー・フレージャー(LaToya Ruby Frazier)、アーロン・ギルバート(Aaron Gilbert)、モナ・ハトゥム(Mona Hatoum)、タイタス・カファー(Titus Kaphar)、メアリー・ケリー(Mary Kelly)、M. カーメン・レーン(M. Carmen Lane)、マイ・バーバリアン(My Barbarian)、ジョーダン・ナッサー(Jordan Nassar)、アリス・ニール(Alice Neel)、 センガ・ネングディ(Senga Nengudi)、アリザ・ニセンバウム(Aliza Nisenbaum)、キャサリン・オーピエ(Catherine Opie)、ジャスミーン・パテージャ(Jasmeen Patheja)、ウェンディ・レッド・スター(Wendy Red Star)、アリソン・サール(Alison Saar)、ベティ・サール(Betye Saar)、アンリ・サラ(Anri Sala)、ジャコルビー・サッターホワイト(Jacolby Satterwhite)、パトリシア・サッターホワイト(Patricia Satterwhite)、ローズ・B・シンプソン(Rose B. Simpson)、カーリ・アプソン(Kaari Upson)、キャリー・メイ・ウィームス(Carrie Mae Weems)、ダンジェロ・ロベル・ウィリアムズ(D’Angelo Lovell Williams)、カルメン・ワイナン(Carmen Winant)