ドイツ人フォトグラファー、リア・ダーイェス（Lia Darjes）の作品集。リス、シジュウカラ、ナメクジ、野ネズミ、アリ、スズメ... この小動物たちが、作者が紡ぐミステリアスな物語の主人公である。怖がらせるというよりは、何か秘密を持っているような不思議さを醸し出し、観る者を魅了し虜にする。

作者のスタイルは自身がインスピレーションを受けてきたオランダの巨匠たちを彷彿とさせ、小さく内気な生き物たちの密やかな生活を見事に捉えている。作者や友人の家の庭に余らせた食べ物を置き、訪れる光景をカメラに託しながらそのまま数時間から数日の間屋外に置いておき、何か動きが起きたことをきっかけにシャッターを切る。この演出と偶然がもたらす出会いは、我々がすぐ隣に暮らしていながらもそこからあまりに隔たれている仲間たちのドキュメンタリーを生み出している。