PLAYGROUNDING: THE PLAYGROUND AS A SYMBOLIC FORM OF SOCIETY AND DESIGN CULTURE by Domitilla Dardi
イタリア人キュレーター、デザイン史家のドミティラ・ダルディ(Domitilla Dardi)の作品集。本書は、作者がオンラインで始めた遊び場に関するリサーチをまとめた一冊である。遊び場について語ることは、都市空間の定義、クリエイティビティ、論争、そして子供時代の文化がもつ影響について語ることを意味する。遊び場は、人々の社会関係の人類学的な革新に迫る、象徴的な形態であるということができる。
本書は、数々のアーティスト、デザイナー、建築家が取り組んできた遊び場作りのプロジェクトを概観する、遊び場の「イメージの歴史」から始まる。続いて、フランス人アーティストのポール・コックス(Paul Cox)、フランス人工業デザイナーのマタリ・クラッセ(matali crasset)、ドイツ人工業デザイナーのコンスタンティン・グルチッチ(Konstantin Grcic)、スペイン人デザイナーのマルティ・ギシェ(Martí Guixé)、ロンドンを拠点とする建築設計事務所「Lemonot」、東京を拠点に活躍するイタリア人アーティスト、ジャンルカ・マルジェリ(Gianluca Malgeri)と日本人アーティスト アリナ・エンドウ(Arina Endo)、ロッテルダムを拠点とする建築設計事務所「Studio Ossidiana」、ミラノとロンドンを拠点とするコレクティブ「Parasite 2.0」、イタリア人イラストレーターのオリンピア・ザニョーリ(Olimpia Zagnoli)らが、それぞれ本書の見開き2ページを一つの遊び場として自由に解釈し、新しい遊び場のアイデアを提案している。また、イタリア人写真家のステファノ・セリオ(Stefano Cerio)や日本人写真家の木藤富士夫の写真作品、世界有数の図書館から得たデジタルアーカイブ、その他著名アーティストによるメリーゴーランドをテーマにした写真など、さまざまなイメージを通して、遊び場の意味を探求している。