SIGNOS by Veejay Villafranca [SIGNED]

フィリピン人フォトグラファー、ヴィージェイ・ヴィラフランカ(Veejay Villafranca)の作品集。熱帯地域であるフィリピンは年間数十もの台風が上陸する。とりわけ2013年は、後世に語り継がれるほどの台風が起こり、新たな基準が生まれたともいえる年となってしまった。風速195ヘクトパスカルを記録した「ハイエン」、現地では「ヨランダ」と呼ばれる激しい台風がフィリピンを襲い、6000人以上もの人命を奪い、数千人以上が行方不明となった。過去に記録された中でも最も勢力の強い熱帯低気圧の一つとなったこの台風の憤怒は激しく、フィリピン中部に位置するヴィサヤ諸島では、インフラや人々の生活に何十億ペソもの打撃を与え、その結果として1900万人ものホームレスを生み、600万人以上が行き場を無くした。このような数字的な記録はいくらでも連ねることができるが、事実として残るのは、他国や非政府組織からの膨大な支援や救援があったにも関わらず、フィリピン政府の対応が非常に遅れているということである。これにより人道的危機の悪化が拡大し、家を無くした人々の生活がより困難なものとなった。作者は、2009年以降続く異常気象やマニラでの大規模な洪水に続いて起きた2013年の台風によって困難な状況に陥ってしまった人々の生活を記録し続けた。本作は、家を失った人々が最終的に移住を果たすまでの日々に向き合う壮大な挑戦になりうるプロジェクトである。被害にあった人々は、崩れてしまったかつての住処から救出されたのち、人間らしい暮らしとは言い難い生活水準のコミュニティに移住した。人身売買や児童性的虐待といった犯罪を起こす組織が避難所に蔓延することで、更に健康、安全、治安面での問題が生じ、気候変動による災害の生存者はもはや難民とも呼ばれうる状況に陥り、悪循環を生み出している。自然災害による変化は、肉眼で見る事実よりも上回る危険性を生み出している。精神衛生状態や、家族を失ったことによる継続的な心理的苦痛、孤児となった者たちの安全面や人身売買犯罪組織に対する脆弱性、移住地で直面する辛さなどがそれにあたる。「悲運はハリケーンの姿で我々の元に訪れた。」環境問題専門家である娘の言葉を引用し、作者は「ハイエン」、そしてその余波と未来について思う。本作は、「IPA Awards 2018」(Invisible Photographer Asia主催)を写真集部門で受賞、「SIPF Photobook Open Call」(Singapore International Photography Festival 2018主催)のファイナリストに選出されている。

記事:境界線を越える者:写真家 Veejay Villafranca(Lomography Japan)

by Veejay Villafranca

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hardcover 
144 pages
195 x 226 mm
black and white
limited edition of 700 copies
2018

SIGNED BY VEEJAY VILLAFRANCA

published by MAPA BOOKS