ドイツ人フォトグラファー、ハンス・ハンセン（Hans Hansen）の作品集。静物写真の世界で最も重要な現代作家の一人である作者は、詩的な静物写真と精緻でドキュメンタリー的な商品写真を組み合わせた作品で知られている。余分なものがそぎ落とされた画面構成、直線的であると同時にエネルギーに満ち溢れた視線を特徴とする。作者の写真には普段の生活で使われる実用的なものが登場する。技術的な精度とミニマリズムなイメージの組み合わせがありふれたものに特別な存在感を与え、日常の中の取るに足りないものを新しい視点から見ることの大切さを我々に教えてくれる。平凡なものに対する我々の見方を形作る上で、作者は何十年にも渡って決定的な役割を担ってきた。この分野の写真家で作者に匹敵する影響力を持つ者はいないだろう。本作は2017年7月から9月にC/O Berlinで開催された展覧会「Hans Hansen: Still Life – Photographs 1957 – 2017」に伴い刊行された。