TEMPÊTE APRÈS TÊMPÈTE by Rebekka Deubner

ドイツ生まれ、フランスを拠点に活動するフォトグラファー、レベッカ・デーブナー(Rebekka Deubner)の作品集。2019年夏に作者にとって2度目となる福島県への旅の際に撮影した記録がまとめられている。

2011年3月11日、福島をはじめとする東北地方の太平洋側が巨大地震と津波による未曾有の大災害と「福島第一原子力発電所」の事故というかつてない事態に襲われた。作者は、そこに住む人々や散乱した土地の欠片、海が見せる風景の細部、虫や人間や海藻、そして体の一部など、常に流動的である自然界の要素をクローズアップで写しとることでその土地を描き、それがすべて合わさって新たな形に生まれ変わる様を記録する。

作者にとって、寄りで撮影することは制作において欠かせない手法である。近づいた視点でものを見ることで、まるでカメラのレンズが触覚の延長線上にあるかのように、その物質感やテクスチャーを自分の目を通して直接触れることができるのだという。それはまた、自身と被写体が、一種の瞑想状態を体験するかのようである。バラバラに散らばったイメージのピースが一冊の本として蒐集されることで、全体として見られることのなかったその土地の証が時間をかけて作り上げられていく。

by Rebekka Deubner

REGULAR PRICE ¥5,830  (tax incl.)

softcover
104 pages
230 x 320 mm
color
limited edition of 500 copies
2021

published by ART PAPER EDITIONS