THE DISTILLATION OF COLOR by Agnes Martin
アメリカを拠点に活動したカナダ人アーティスト、アグネス・マーティン(Agnes Martin)の作品集。絵画を通じて美、幸福、天真爛漫な精神を追求した。本書では、ニューメキシコの砂漠地帯で暮らした際に制作した抽象画(非形象絵画)がまとめられている。色とりどりのストライプで構成された作品から、淡い色合いの帯状の描画に手書きのグリッドを描いた構図、深い灰色を用いた1980年代後半の代表作「Black Paintings」シリーズまで、それぞれの段階における色使いが丁寧に検証される。
本書では、砂漠に移り住み制作活動を続ける中で培った視野の広さや、感情や主題にとらわれず純粋に抽象化に向き合い制作した絵画作品の本質を理解すること、そしてその探究心が、キャリアの後半で形となったことが見て取れる。
また、ジャンルを超え、美術史の枠を広げた多彩な寄稿により、作者の不朽の名作を再考、再発見することができる内容に仕上がっている。作家のドゥルガー・チュウ=ボース(Durga Chew-Bose)は色彩がもたらず詩的な探求を著し、作家・批評家で『The Lonely City』の著者であるオリヴィア・ラング(Olivia Laing)は孤独の本質を、作家のブルース・ヘインリー(Bruce Hainley)はフェミニズム作家のジル・ジョンストン(Jill Johnston)によって1974年に書かれたエッセイを通じ、作者のニューメキシコでの生活を探っている。
by Agnes Martin
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