TRAPPED by Alex Hanimann

スイス人アーティスト、アレックス・ハニマン(Alex Hanimann)の作品集。モーションセンサーや赤外線センサーを用いて自動で撮影する設置型の「カメラトラップ」を使い、家畜から珍しいものまで様々な動物を主に夜間に撮影したスナップショットで構成された一冊。言うなれば、これらは全てラッキーショットである。作者は、元々ごく一部の動物学者が野生動物の調査のために自分たちで開発した自動撮影装置を利用して幅広いオーディエンスを獲得した。この手法の誰も気づかなかった側面を明らかにし、そうすることでデジタル写真の所有権と使用に疑問を投げかける。自動的に作りだされた奇妙な構図は非常に独特な美しさに貫かれ、それぞれに臨場感が溢れている。さらにこれらは芸術というコンテクストに当てはめられ、その形式や内容が芸術的な観点から吟味されることになる。科学的な目的のために多様な生息地や気候帯で撮影されたこれらの写真は、ここでは改めて芸術としてライティング、クロッピング、テクスチャーといった構造的な側面に重点を置き、視覚的なロジックや芸術的な可能性といった観点から見直されている。一つの仕組み、というよりはむしろ動物の動きがシャッターを作動させ、その瞬間を切り取る。こうしてできた写真は、被写体が意識せずに、その意図とは関係なしに撮られた一種のセルフィーとも言える。作者は動物の観察と自動写真に対する芸術的な見方をさらに高いレベルに引き上げた。幅広いイメージを収集し、科学あるいは保存を目的とした動物の観察方法を整理した。しかし、動物の保護に携わる人達とは異なる視点を持つ作者は、これらの写真の灰色がかった緑色の世界が持つ雰囲気や、撮影が失敗し、カメラを横切って逃げていく動物の後ろ脚だけがちらりと写っているだけ、といった瞬間にも関心を抱いている。欠点のある断片的なイメージは、完全な姿を捉えることができた写真と同じくらい興味深いものとして扱われている。写真の歴史は、カメラが捉えたモチーフと、その結果である写真を見たり解釈したりする鑑賞者の主観的な視線の間の、一つの所に定まらない複雑な関係性の歴史でもある。夜に「捉えられた」場合でも、彼らが何であるか瞬時に識別し、イメージに固定してしまおうという我々の試みを動物たちはしばしば巧みにすり抜けていく。

by Alex Hanimann

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softcover
384 pages
210 x 297 mm
color
2018

published by EDITION PATRICK FREY