UNTITLED, 1964–1998 by Josef Herzog

スイス人アーティスト、ヨゼフ・ヘルツォーグ(Josef Herzog)の作品集。2022年3月から6月までスイスの「ルツェルン美術館(Kunstmuseum Luzern)」で開催された展覧会に伴い刊行され、1970年代以降の作品群が包括的にまとめられている。作者は、1964年から本格的な制作を始め、シュールであり、輪郭がはっきりと描かれた平面構成の水彩画や、一面に広がる迷宮のような細胞状の構造を描いたインク画を制作し始めた。以降、作者はドローイングと水彩画に対して忠実であり続けた。主題や雰囲気は常に変えて描いていたが、線は作者のドローイングの特徴的な要素であり続け、不変的なものであった。1975年より、鉛筆、オイルパステル、ペンやインク、水彩画で描かれた線は輪郭的な機能から解放され、線自体が表現手段となった。時折、平面的な要素を取り入れたシリーズに取り組んだものの、作者は純粋な線形模様の可能性を探求することに局限した。その線は、シリーズごとにフォーマットや画材にあわせて特性が大きく異なる。特定のモチーフが存在しないがゆえに、フォーマットやメディアは重要性を高めていった。1971年以降、作者の作品群が数々のレビューで注目を集めたが、作者の豊かな作品群を現代の視点から振り返る一作が欠けている。本書は、その文献上のギャップを埋める役割を果たしている。

by Josef Herzog

REGULAR PRICE ¥8,250  (tax incl.)

softcover
300 pages
235 x 320 mm
color
2022

published by EDITION PATRICK FREY