アメリカ人アーティスト、ロバート・アーウィン（Robert Irwin）の作品集。2016年に現代美術館「チナティ・ファンデーション（Chinati Foundation）」の常設インスタレーションとして制作された「untitled (dawn to dusk)」の完成に伴い刊行された。これまでで最大規模となる本作品は、屋内と屋外、芸術と建築、過去と現在、自然と人工を融合させ、作者が数十年にわたって取り組んできた空間と光を操作して知覚する行為の集大成ともいえる。本書は1年間にわたるインスタレーション・プロジェクトの様子と、季節や時間帯の変化が作品を鑑賞する体験に与える影響を写した記録、エッセイ、ドローイング、図面を収録。それを通じて、作者の作品を見せ、かつ文脈化している。空間と光を作品で体験させる「オーケストレーター」としての優れたキャリアの中でも最高作品として、その制作の歴史を広く紹介する一冊。