イギリス人フォトグラファー、ナディア・リー・コーエン（Nadia Lee Cohen）の作品集。本書は、2020年に刊行された同名の初作品集『WOMEN』の第5版として刊行された。6年の歳月をかけて制作された「女性らしさ」を考察した100のポートレートを収録している。これらのポートレートは、常に映画のスチル写真のようでもあり、動いている現実の生活のスナップ写真のようでもあり、フレームの端から物語がこぼれ落ちていく。しかし、あまり知られていないことだが、本シリーズのイメージの多くは、実際に映像として撮影されたものであり、鑑賞者にこれらの想像上の現実への洞察を与える。

ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスで撮影されたこのシリーズは、それまでのキャラクターが主体の写真と同様、作者の言う「西洋消費主義の薄気味悪い残骸」を探求している。映画、広告、モールがインスピレーションとなり、都市環境の極限を超現実的に表現している。「女性」という概念について作者はこう語る。「この場合、『Women』という言葉は、『個性』に関連する考えである。それは、私たちの世界には存在しないし、同じ政治、美しさの規範、価値観を共有するものでもない。この100のミザンセーヌ（演出）のシリーズの中で、強い女性らしさを表現しているのです。」