A MAGAZINE CURATED BY ERDEM MORALIOGLU

A Magazine Curated By』は、ファッションデザイナーの アーデム・モラリオグル(Erdem Moralioglu)を第24号のゲストキュレーターとして迎える。

家族や友人、アーティスティック・コラボレーター、ファッションブランドなど、作者に親しい様々な人々から寄稿を呼びかけ、200ページに渡って文化的かつ創造的なコンテンツを展開する。

本書は、作者が社会学的かつ美学的に参照する様々な文化や時間を横断し、我々の歴史上重要な時代における破壊的な人物に焦点を当てている。エドワード王朝時代のジェンダーを超えた貴族から、作家のヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)、写真家のアウグスト・ザンダー(August Sander)、映画監督のデレク・ジャーマン(Derek Jarman)といったクリエイティブな天才たちが、イーサン・ジェームズ・グリーン(Ethan James Green)とダーラ・アレン(Dara Allen)、キャンベル・アディ(Campbell Addy)とガブリエラ・カレファ・ジョンソン(Gabriella Karefa-Johnson)、ウィリアム・ウォーターワース(William Waterworth)とアマンダ・ハーレック(Amanda Harlech)、トリニティ・エリス(Trinity Ellis)とオラ・オルワ・エビティ(Ola-Oluwa Ebiti)といった世界各地から集まった現代のイメージメーカーたちの視線と出会う。

二卵性双生児として生まれた作者は、本書内で20世紀モダニズム文学を代表するイギリス人作家、ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)作の『オーランドー』やその原作に基づいて制作されたサリー・ポッター監督による1993年作の映画作品、イギリス人イラストレーター、作家のオーブリー・ビアズリー(Aubrey Beardsley)による文芸誌『イエローブック』(1894年〜1997年)や1960年代の廃刊したクィア雑誌『アフターダーク』の個人アーカイブから、双生児の概念や性別の流動性を脱構築し、「二元性」や「ミラーリング」のテーマを考察している。

本書には、アメリカ人女優グレン・クローズ(Glenn Close)、アメリカ人アーティスト、ロニ・ホーン(Roni Horn)、ファッションライター、ティム・ブランクス(Tim Blanks)、イギリス人映画監督、サリー・ポッター(Sally Potter)へのインタビューシリーズ、そして作者自身が撮影を行った2つの写真シリーズ、中には女優のググ・バサ=ロー(Gugu Mbatha-Raw)、ルース・ウィルソン(Ruth Wilson)、クレア・フォイ(Claire Foy)、キーラ・ナイトレイ(Keira Knightley)や、双子の妹サーラ、パートナーのフィリップ、指導者、名付け子など、親しい友人、家族、そしてミューズたちが登場し、本プロジェクトに対する深い思い入れを随所で目にすることができる。またロイヤル・バレエのプリンシパル・ダンサーやアーティストも登場。アーデムの亡き母への叙情詩として、妹のサラ・モラリオグル(Sara Moralioglu)が著名な英国人画家キー・ドナキー(Kaye Donachie)と抽象的な具象画について対談するほか、クリエイティブディレクターのトーマス・パーソン(Thomas Persson)とオランダ人写真家のアンネマリーク・ヴァン・ドリンメレン(Annemarieke van Drimmelen)のチューリップの美しいシアノタイプによる観察も収録。

色彩と生命力にあふれた『A Magazine Curated By Erdem』は、ファッション、写真、近代・現代絵画、アートハウス系映画、音楽、クィア・ポップカルチャーに捧げて、アーデムの洗練さとウィットに富んだ視点で紹介する巡り渦巻く1冊である。

主な収録内容:

Fanny and Stella(ファニーとステラ)
ニューヨークで写真家のイーサン・ジェームス・グリーン(Ethan James Green)が撮影し、ダラ・アレン(Dara Allen)がスタイリングした、アーデムのアーカイブを使用したポートフォリオ。表紙はグリーンのフローラルジャカードの背表紙に、エンボス加工とグロス仕上げのフォイル紙のアクセントが施されている。

Permanent Collection(パーマネント・コレクション)
大英博物館内のギリシャとエジプトの展示室で、ガイアナ系イギリス人写真家のキャンベル・アディ(Campbell Addy)が撮影し、『ヴォーグ』スタイリスト兼編集者のガブリエラ・カレファ・ジョンソン(Gabriella Karefa-Johnson)がスタイリングを手がけたアーデムの2023年春夏コレクション。

I See You: Friends, Family & Muses(アイ・シー・ユー 友人、家族、ミューズたち)
アーデム・モラリオグルがロンドンのスタジオで、親しい友人や家族、クリエイティブなコラボレーターたちに2023年春夏コレクションとアーカイブ作品を着せて撮影した作品。キーラ・ナイトレイ(Keira Knightly)、クレア・フォイ(Claire Foy)、シーラ・アティム(Sheila Atim)、マリア・バルショウ(Maria Balshaw)、ルシー・ロジャース(Lucy Rogers)、ポリー・ステンハム(Polly Stenham)、ジェームズ・ライトン(James Righton)、ローラ・バーリントン(Laura Burlington)、ウェンディ・ダグワーシー(Wendy Dagworthy)、エジンマ・ムベリードッグ(Ezinma Mbeledogu)などが登場。

A Portrait of Queer History(クィア・ヒストリーの肖像)
ロンドンの「ナショナル・ポートレート・ギャラリー(National Portrait Gallery)」のディレクターを務めるニコラス・カリナン(Nicholas Cullinan)が、ジェームズ・ボールドウィン(James Baldwin)、セシル・ビートン(Cecil Beaton)、イネス&ヴィヌード(Ines & Vinoodh)、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)などの作品を含むLGBTQAI+写真アーカイブの収蔵コレクションについて考察する。

Antakya(アンタキヤ)
トルコ人写真家のオルガチェ・ボザルプ(Olgaç Bozalp)がトルコ・アンタキヤで撮影したヴィジュアルエッセイ。アーデムの父方の遺産を、地元の登場人物たちが様々な方法で着用する花柄のシルクコートを使った路上ポートレートのシリーズで辿る。

BIG SKY(ビッグ・スカイ)
写真家のウィリアム・ウォーターワース(William Waterworth)が撮影し、クリエイティブコンサルタントのアマンダ・ハーレック(Amanda Harlech)が英国・シュロップシャー州の荒野でスタイリングした、ブロンテ姉妹にインスパイアされたアーカイブ・ストーリー。

本書には、オランダ人フォトグラファー、アンネマリーク・ヴァン・ドリンメレン(Annemarieke van Drimmelen)によるプリントが1枚差し込まれている。

コントリビューター:
ペット・ショップ・ボーイズ、キーラ・ナイトレイ、ジェイムズ・ライトン、グレン・クローズ、キー・ドナキー、アニ・スミス、イーサン・ジェイムズ・グリーン、ロニ・ホーン、ティム・ブランクス、チャーリー・ポーター、パトリック・プロクター、シンディ・シャーマン、ブルース・ラブルース、ニコラス・カリナン、アマンダ・ハーレック、グィネヴィア・ヴァン・シーナス、サリー・ポター、ウィリアム・ウォーターワース、他

ERDEM
「アーデム(ERDEM)」は、ロンドンを拠点とするウィメンズウェアブランド。2005年の設立以来、創始者のアーデム・モラリオグルによる自身のブランドは業界内で独自の道を切り開いてきた。詩的かつ厳格であり、年齢や時代を超越し、力強く多才な「アーデム」の世界は、強さと美しさが交錯する魅力的なものである。そして「アーデム」は、ストーリーテラーである。そのコレクションは、ある特定の場所、ある特定の瞬間に、英雄的な女性を讃える物語を中心に構成されている。

作者のファッションは、ドラマチックで、独特の雰囲気があり、感情を表現するもの、つまり女性が何を着るかではなく、どう感じるかというものが重要である。2021年に発表されたメンズウェアでは、対照的な要素と相反する感情の相互作用を探求している。作品は、派手でありながら高度な技術を駆使し、エレガントで快適、グランジ感がありながら同時に洗練されている。物憂げなムードの中に、根底にある情熱が感じられる。

「アーデム」は、職人技の力と技術への信念が基盤となっている。心と手が一体となり、精密さ、芸術性、そしてハンドメイドの魅力的な器用さをもって、想像力に命を吹き込む。伝統的な技術への敬意と、技術や用途における革新への情熱を併せ持つ。

2014年、英国ファッション協議会が主催する「ブリティッシュ・ファッション・アワード」のウィメンズウェア部門を受賞。2015年、ブランド初の旗艦店をロンドン・メイフェアのサウス・オードリー・ストリートにオープン。2017年、H&Mとのコラボレーションを発表し、コレクションムービーは著名な映画監督バズ・ラーマンが手がける。2018年、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで行われた、振付家クリストファー・ウィールドンによるバレエ作品『コリュバンテスの遊戯(英語: Corybantic Games)』では、英国ロイヤル・バレエ団の衣装デザインを担当。

「アーデム」のコレクションは、バーグドルフ・グッドマン、セルフリッジ、ディエチ・コルソ・コモ、ボンマルシェ百貨店、伊勢丹、ジョイス、ネッタポルテ、マッチズファッション、マイテレサ、センスなど、世界中の100社以上のグローバル小売パートナーで取り扱われている。

A Magazine Curated By
A Magazine Curated By』は、毎号ファッションデザイナーをゲストキュレーターとして招き、その世界観を探求するユニークなコンセプトマガジン。編集部とのコラボレーションにより、ゲストキュレーターが革新的である独自のコンテンツを通して、文化的な価値観や美学を表現する。各号では、人々と情熱、物語、感情、好奇心、自然さ、真正性という、デザイナーの理念を讃えている。ベルギー初のファッション雑誌を誇る本誌は、今最も影響を与えているファッションデザイナーの視点を親密に繰り広げており、国際的に高い評価を得てきた。

記事:デザイナーとともに革新を続ける『A Magazine Curated By』編集長ダン・サーリーの雑誌作り(THE FASHION POST)

by A MAGAZINE CURATED BY , Erdem Moralioglu

REGULAR PRICE ¥6,600  (tax incl.)

softcover
200 pages
230 x 295 mm    
color, black and white
2022

published by A MAGAZINE CURATED BY