APIARY by Robin Friend

イギリス生まれ、オーストラリア育ちであり、現在はロンドンを拠点として活動するフォトグラファー、ロビン・フレンド(Robin Friend)の作品集。2018年に刊行された初作品集『 Bastard Countryside』に続き、2冊目となる本書『APIARY』では、引き続きイギリスの風景の中に混在するシュールで不気味な彷徨を探りながら、民主主義と抵抗運動の概念が見え隠れする一連の夜景を捉えた。

本書では、映画用のカメラに使われるシネレンズを利用し、イングランド南東部にあるルイスという町の暗く深い闇を暴いてゆく。ルイスは、17世紀の過激な政治テロが失敗に終わったことを祝うイギリスの行事 "ガイ・フォークス夜祭" で熱狂的に騒ぐ町として知られている。とはいえ、作者の作品は言い伝えを再現しようとするものではない。ぎりぎりまでトリミングし、細部を際立たせながら群衆と個人のかけ引きを描いた作品は、暴動や政治的反乱を思わせる。

また、影の空間の中に、民主主義や個性、団結の概念がいまにも壊れそうなほど張り詰められた現代のとある瞬間も写し出されている。作者は比喩として夜を使い、英国諸島を取り巻く不安、不平等や不安定性が立てるさざなみの影響を考える。

by Robin Friend

REGULAR PRICE ¥6,930  (tax incl.)

hardcover
132 pages
250 x 250 mm
black and white
2021

published by LOOSE JOINTS