ONE PICTURE BOOK TWO #26: KE LEFA LAKA / HER-STORY VOLUME 1 by Lebohang Kganye
ヨハネスブルグを拠点に活動するアフリカ人ビジュアルアーティスト、レボハン・ハンイェ(Lebohang Kganye)の作品集。アメリカの出版社「NAZRAELI PRESS」が手がけるプリント付き作品集シリーズ『ONE PICTURE BOOK TWO』の第26巻。
全100タイトルをもって完結した『ONE PICTURE BOOK』のアップグレード版である本シリーズ『ONE PICTURE BOOK TWO』は、装丁、サイズともにリニューアル。各タイトル500部限定発行、約127x178mm(約5x7インチ)のサイン入りプリントが付属し、前作と同様100タイトルで完結予定。
2012年から2013年にかけて制作された本シリーズ『Ke Lefa Laka / Her-story』は、「One Picture Book」シリーズの中で2部構成で制作されており、本作は第1弾となる。第2弾はこちら。
作品は自身の個人史や家族史が中心となっており、本シリーズは母親と世代を受け継ぐ歴史つなぎつつ、母親を失った悲しみに対峙している。タイトルはソト語で「私が受け継いだもの(it’s my legacy)」と訳され、「この作品は、ひとりでに、どういうわけか私を通して自分で命を宿したのです」と作者は語る。
「母のアルバムが描く物語に自分を重ね合わせることで、母の物語が私たち2人の物語になるのです。デジタルフォトモンタージュを通して、私は家族の記録から取り出した20代と30代の頃の母の古い写真を並べ、母は私であり、私は母である、いう新たな物語と架け橋を紡ぎました。母が撮影された同じ場所で、同じ服を着て、同じポーズや表情を真似て、母をもう一度そこに存在させ、母の精神と再びつながるようにしました。亡き母とまた繋がれたことは、視覚的な操作によって、欠けていた記憶を補うものとなりました。母の死後、私の妹に対して自分が母親的役割となるよう、学び、視覚的にまねてきたということもありますし、同時に自伝的な振る舞いの中で『仮面をつける』ということを研究することでもありました。」ーレボハン・ハンイェ