ONE PICTURE BOOK TWO #27: KE LEFA LAKA / HER-STORY VOLUME 2 by Lebohang Kganye
ヨハネスブルグを拠点に活動するアフリカ人ビジュアルアーティスト、レボハン・ハンイェ(Lebohang Kganye)の作品集。アメリカの出版社「NAZRAELI PRESS」が手がけるプリント付き作品集シリーズ『ONE PICTURE BOOK TWO』の第27巻。
全100タイトルをもって完結した『ONE PICTURE BOOK』のアップグレード版である本シリーズ『ONE PICTURE BOOK TWO』は、装丁、サイズともにリニューアル。各タイトル500部限定発行、約127x178mm(約5x7インチ)のサイン入りプリントが付属し、前作と同様100タイトルで完結予定。
2012年から2013年にかけて制作された本シリーズ『Ke Lefa Laka / Her-story』は、「One Picture Book」シリーズの中で2部構成で制作されており、本作は第2弾となる。第1弾はこちら。
作品は自身の個人史や家族史が中心となっており、本シリーズは母親と世代を受け継ぐ歴史つなぎつつ、母親を失った悲しみに対峙している。タイトルはソト語で「私が受け継いだもの(it’s my legacy)」と訳され、「この作品は、ひとりでに、どういうわけか私を通して自分で命を宿したのです」と作者は語る。
「母が亡くなったあと、自分の中の喪失感に意義を持たせる試みとして、また同時に哀悼の行為として、家の中の母のかけらを探しました。そうすると母の写真や服をたくさん見つけました。常にそこにあったはずなのに、長い間見過ごししていたのです。写真は、ものが『そこにある』というだけでなく、『そこにあった』ということ、そして一つのイメージの中で過去、現在、未来を提示する能力を持っている(ロラン・バルトの言葉より引用)のです。バルトが自身の母の写真を見るように、我々はその人とその人の人生の軌跡を見るのです。どんなに生きているように見えようとも、写真は我々がいずれ死ぬべき運命にあることのすべてを示している。この写真の中で私が見極めた母の本質は、実のところ、私が母というただ1人の存在として出会った人物がもたらした私の本質であり、私が築いて来たものであり、私の記憶と幻想なのです。」ーレボハン・カガニー(Lebohang Kganye)