CORRECTED PROOFS. PREVIOUSLY UNPUBLISHED, UNCOLLECTED, UNWANTED by Bob Nickas
アメリカ人キュレーターであり評論家のBob Nickas(ボブ・ニッカス)による作品集。
復讐がもたらした出版なのか、新しいジャンルなのか、それとも作家が初めてペンで紙に書いた時からあるのか。いかなる文章もある程度は過失や拒絶に対する仕返しであり、記録を正そうとする方法ではないのだろうか。このコレクションに含まれる、委託され、受注され、支払われた数作品は、それが巧妙な、または一般的な意図であろうと何かしらの理由があって公に出ることはなかった。本は必ずしもゴールに辿りつかない。時は流れる。辛抱も底を突く。本書は、それに対する救済策を探し求める。
未だかつて公開されてこなかった作品に加え、エッセイとインタビューの数々がこのコレクションのために特別に執筆された。アーティストのルッツ・バッハー(Lutz Bacher)と彫刻家のチャールズ・レイ(Charles Ray)についてアーテイストのアーノルド J. ケンプ(Arnold J. Kemp)が書いたテキストがその一つである。暗殺者のジョン・ウィルクス・ブース(John Wilkes Booth)やリー・ハーヴェイ・オズワルド(Lee Harvey Oswald)から、アーティストの
フェリックス・ゴンザレス=トレス(Felix Gonzalez-Torres)、コンセプチュアルアーティスト、彫刻家のキャディ・ノーランド(Cady Noland)、アーティストのスティーヴン・パリーノ(Steven Parrino)まで、ここでは英雄と悪党がどちらも登場する。読者は、思いがけない文脈の中で見慣れた容疑者たちに遭遇することとなる。それはアーティストのマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)、エド・ルシェー(Ed Ruscha)、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)だったり、最近発掘されたボブ・スミス(Bob Smith)やステファン・ヴァーブル(Stephen Varble)、またリー・ロザーノ(Lee Lozano)、1月6日の反乱(2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件)、テレビドラマ『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』などもそうである。
ギャラリー「ハウザー&ワース(Hauser & Wirth)」のスペシャル・プロジェクト・ディレクターを務めるランディ・ケネディ(Randy Kennedy)による序文を収録。
本書は、アーティストのアーノルド J. ケンプ、ジョン・ウォーターズ(John Waters)、オリヴィエ・モセ(Olivier Mosset)、
レイチェル・ハリソン(Rachel Harrison)が手がけたイメージを用いた4種のカバーで展開している。
※カバーの絵柄はお選びいただけません。ランダムにセレクトされたものをお届けいたします。