ARTISTS MAKING BOOKS
印刷物の歴史的、形式的、概念的な可能性を押し広げてきたアーティストたちの、独自で創意に満ちた創造性を称える作品集。2024年9月から12月にかけてイタリアの「The American Academy in Rome」で開催された展覧会「Artists Making Books: Pages of Refuge」に伴い刊行された。
芸術、グラフィックデザイン、出版社、そして書籍の関係性に焦点を当てた本展は、書籍というメディアの物質性と、その流通する力について探る。
エド・ルシェー(Ed Ruscha)が2001年に同アカデミー滞在中、同館図書館に寄贈した書籍群を起点として展示は構成されている。1905年から現在に至るまで、アーティストによって構想され、制作された100冊以上の書籍を紹介し、「Arthur & Janet Ross Library」の所蔵資料に加え、イタリアの主要な2つの個人コレクションからの作品をあわせて展示する。
経験や実験の記録を携えたこれらの書籍を通して、本展は、アーティストたちがこの媒体に対して行ってきた多様な試みを中心に、書籍が本来備えている特質を考察する。素材やサイズ、活版印刷からパンフレット、立体的な構造、検索エンジン、分類体系に至るまで、書籍を制作するアーティストたちは、このメディアを再構想し、新たなかたちへと作り替えてきた。
本展では、書籍に対する急進的なアプローチの数々を紹介する。文字や言葉、テキスト、形式や形態を転覆し、発明し、反転させ、ときに称揚することで、異なる創造的・グラフィック的解決を用いて書籍がどのように生み出されてきたのか、その選び抜かれた歴史をたどる。
歴史的アヴァンギャルドと現代との関係に目を向けながら、書籍がかつて実験の対象であっただけでなく、現在もなお実験の場であり続けていることを示そうとする。また、商業的制約に抗うための手段であり、究極的には避難所(refuge)のような空間となりうることを明らかにする。
インタビューと論考を収録した本書では、寄稿者たちが、本がアーティスト、読者、コレクターのあいだに生み出す豊かな関係性を探るとともに、今日においてアーティストブックがこれほどまでに強い共鳴を持ち、文化的に重要な存在であり続ける理由を、芸術実践と権力構造の両面から考察している。
Artists Making Books celebrates the unique and ingenious creativity of artists who have expanded the historical, formal and conceptual possibilities of print. Featuring exclusive interviews and essays, the contributors explore the rich relationships that books forge between authors, readers, and collectors, while examining the artistic practices and power structures that make artist books so resonant and culturally significant today.