PLEXUS by Camille Norment
ノルウェーを拠点に活動するアメリカ人アーティスト、カミーユ・ノーメント(Camille Norment)の作品集。その生涯を通して、マルチメディア・アーティストである作者は「文化的音響心理学(cultural psychoacoustics)」と定義づけた分野のリサーチと探求に勤しみ、特にベル、ハウリング、サイン波という三種類の音が社会的かつ文化的に人を惹きつける力について考えてきた。作者にとってアメリカでの初の出版物となる本書は、時間、精神性と持続低音(ベル)・力の分散、政治的困難とサイバネティックス(ハウリング)・そして純粋性と超越性(サイン波)の個々別々でいながら重なりあう所もある主題群と共鳴する三つの音の現象を分析し解き明かす。すべて半透明な羊皮紙を用いて作られた革新的なブックデザインと共に、作者の音に対する感性を印刷でしか表現できない形で作られた一冊。
「ノーメントが作り出す鳴り響き、振動するサウンドシステムは、身体と環境の間にある儚き相互依存を我々に体感させる。」-ニューヨークタイムズ
「Dia Art Foundation」のディレクターであるジェシカ・モーガン(Jessica Morgan)による序文、キュレーターであり作家のニダ・ガウス(Nida Ghouse)、レガシー・ラッセル(Legacy Russell)、ミュージシャンでありキュレーターのデヴィッド・トゥープ(David Toop)、文化理論家でありであり詩人、批判理論、黒人研究、パフォーマンス研究学者であるフレッド・モーテン(Fred Moten)による寄稿テキスト、アーティストであり「Dia Art Foundation」のアソシエイト・キュレーターを務めるケリー・キヴランド(Kelly Kivland)によるインタビューを収録。