ATLAS OF FURNITURE DESIGN [THIRD EDITION]
モダンファニチャーデザインの歴史を包括的にまとめた作品集。本書はこの歴史を語る上で欠かせない碑的な存在になりうる一冊であり、工業化時代の初期から、今日の家具デザインにおいてますます重要な役割を持つ昨今のデジタル時代の革新まで、230年分にわたり幅広いテーマをもって家具を紹介、検証する。
「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム(Vitra Design Museum)」によって20年以上の時間を費やした研究のもと完成した1,000ページ以上にも及ぶこの「アトラス」は、540人以上のデザイナーによる1,740点の作品をはじめ、写真やスケッチ、特許、ブロッシャー、美術や建築関連、デザイナーのポートレイトなどを含む2,800点以上の図版が収録されている。70名以上の執筆者によるチームが本書を著しており、4つの歴史的エポックとその期の作品に文脈を裏付ける社会文化的、デザイン史的背景に触れた包括的なエッセイや、重要な作品群をより詳細に解説する550以上のテキスト、家具デザインの歴史に新たな視覚的洞察を与える数多くのインフォメーション・グラフィックも掲載。さらに、デザイナーの略歴、参考文献、生産者や素材の用語集、キーワード索引などの資料も充実している。
「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム」は、7,000点を超える家具を含む20,000点以上のコレクションを有し、この種の所蔵品としては世界最大規模を誇る。本書では、そのコレクションに基づき、過去230年間の最も要となるデザイナーたちの作品、デザイン史のあらゆる重要な段階を記録している。曲げ木や金属で作られた19世紀、「アール・ヌーボー」や「セセッション」様式のデザイン、ル・コルビュジエ(Le Corbusier)、ヘリット・リートフェルト(Gerrit Rietveld)、シャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand)、マルセル・ブロイヤー(Marcel Breuer)& アイリーン・グレイ(Eileen Gray)をはじめとしたモダニズムを代表するデザイナーによる象徴的なデザイン、チャールズ&レイ・イームズ(Charles and Ray Eames)、エーロ・サーリネン(Eero Saarinen)、ゲー・オーレンティ(Gae Aulenti)、フィン・ユール(Finn Juhl)、エットレ・ソットサス(Ettore Sottsass)、フィリップ・スタルク(Philippe Starck)、ヘラ・ヨンゲリウス(Hella Jongerius)、ジャスパー・モリソン(Jasper Morrison)、コンスタンチン・グルチッチ(Konstantin Grcic)などのデザイナーによる戦後、ポストモダン、コンテンポラリー家具まで見ることができる。
このような特徴が、本書を百科事典さながらのリファレンス・ガイドとして、コレクター、学者、専門家にとって欠くことのできないリソースに仕上げている。
2019年に初版刊行、2021年に改訂(第二)版が出版され、本書は2024年刊行第三版となる。
'Atlas of Furniture Design' by Vitra Design Museum on YouTube