DONALD JUDD REVIEW INSULTS 1959-1975 by Michael Crowe
イギリス人アーティスト、作家のマイケル・クロウ(Michael Crowe)による作品集。アメリカ人アーティストの
ドナルド・ジャッド(Donald Judd)が1959年から1975年にかけて書き下ろした、最も厳しく、最も皮肉で、最も鈍く、最も意地悪な展覧会レビューを収集した1冊。本書は、作者がイースト・ロンドンの「グラスミア小学校(Grasmere Primary School)」で放課後倶楽部として主宰する「Spaghetti Club」より発行されたものであり、このプロジェクトは美術批評の真面目さを解消することを目的に子供向けのワークショップを開催している。
戦後のアメリカ美術において最も重要な人物のひとりであるジャッドは、1950年代にニューヨークの名門アート専門学校「アート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨーク(The Art Students League of New York)」で授業を受け始め、その後コロンビア大学で哲学を学んだ。1959年9月から11月にかけて美術批評誌『
ARTnews』に展覧会レビューを寄稿し、1959年末から1965年まで美術批評誌『Arts Magazine』の編集者として展覧会レビューを定期的に書き、日本人アーティストの草間彌生のニューヨークでの初個展に関する記事を書くなど、美術評論家として認知を得るようになった。しばしば「ミニマリスト」と呼ばれるが、これはジャッド自身が嫌う言葉であり、芸術を「イズム」に単純化することに対抗し、影響力のある美術評論家でもあった。1965年に批評を書くことをやめたものの、その後も幅広く執筆活動を続けた。その後の著作は、特定の展覧会に特化したものではなく、美術、建築、政治の中の大きなテーマに反応したものが多く、批判的思考の価値と社会における芸術家の重要性を提唱する批評を発表し続けた。
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