ONE WOMAN SHOW, 1960–1971 by Yoko Ono
日本人アーティスト、オノ・ヨーコ(Yoko Ono)の作品集。2015年5月から9月にかけて「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」で開催された展覧会に伴い刊行された。ニューヨーク、東京、ロンドンを股に掛け活動する作者のキャリア初期に焦点を当てている。
本書は、1960年代から1970年代初期における作者のビジュアル・アート、パフォーマンス、音楽における表現のパイオニア的な存在感を提示している。その起源は、作者がチャンバーズ通り(Chambers Street)に位置する自身のロフトでアメリカ人現代音楽作曲家のラ・モンテ・ヤング(La Monte Young)と共にパフォーマンスを始めた1960年12月のニューヨークにある。その後の10年間、作者は1964年に京都と東京で「Cut Piece」というパフォーマンスを行い、1966年にロンドンの「インディカ・ギャラリー(Indica Gallery)」で展覧会を開催し、1969年にジョン・レノン(John Lennon)と共に世界的な「War Is Over!」キャンペーンを始動させたことで、国際的な評価を得た。1970年初期にはニューヨークに戻り、「MoMA」にて無許可の「one woman show」を開催している。非公式の「MoMA」デビューから40年を経て、本美術館は初めて作者の作品に特化した展覧会を行った。本展覧会に伴い制作されたこの作品集は、作者のキャリア初期の文化的文脈を紐解く書き下ろし3点、当時の作者の地理的位置、そしてそれに紐づくアート制作の進化を振り返る5つの章を収めている。各章は、ゲスト研究者による紹介、作品解説、新聞や雑誌、ジャーナルから抜粋した一次資料、作者による自身のテキストとドローイングのセレクションが含まれている。