THE CHANGING FACE OF METAPHYSICAL ART by Giorgio de Chirico

イタリア人画家、彫刻家であり、20世紀を代表する巨匠の一人、ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)の作品集。美術史家のヴィクトリア・ノエル=ジョンソン(Victoria Noel-Johnson)のテキストを収録する。

シュールレアリスムの父祖、イタリアの「形而上絵画(Pittura Metafisica)」の創立者であり、不可思議な関係性を見つける天才である作者が手がけた不気味なアレゴリー(寓話)が実に数十年ぶりにまとめられた概観書である。

作者は1911年前後に「形而上絵画」を発展させ始め、不調和な物質で満たされた人けのない風景の陰鬱で幻想的なシーンを描いた。作者による作品の中で最も知られている系譜ではあるが、形而上絵画時代は1919年までしか続かず、作者はその後の長き人生も多作かつ実験的でありつづけた。その例として、「秩序への回帰」運動や、バロック期を代表する画家ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Reubens)に影響を受けた「ネオバロック様式」などへの挑戦がある。

本書は先述のとおり20年以上ぶりに刊行される作者の概観書であり、ノエル=ジョンソンが複雑なキャリアを全て探求し、その多様性の中に一貫する理論を提唱する。テーマごとに作者の作品を分類し、作者が熱中したことで知られる「ニーチェ哲学」を通して読み解くことによって、ノエル=ジョンソンは、60年間にわたって作者が幾度となくそのスタイル、技術、主題、構成、トーンを変えたにも関わらず、その全作品が実体のない哲学的概念に実体を与える視点を有していることを論じている。

図版を贅沢に使い、「ジョルジュ・エ・イーザ・デ・キリコ財団(Fondazione Giorgio e Isa de Chirico)」や、イタリアで最も名声を持つ美術館やコレクションから得られた作品群を収め、手紙や時代を写した写真などの豊富な記録資料を核とした一冊である。

EXHIBITION:
デ・キリコ展
会期:2024年4月27日(土) - 8月29日(木)
休館日:月曜日、5月7日(火)、7月9日(火)-16日(火)
※4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)、7月8日(月)、8月12日(月・休)は開室
時間: 9:30 - 17:30
※金曜日は20:00まで
開催場所:東京都美術館
詳細

by Giorgio de Chirico

REGULAR PRICE ¥8,580  (tax incl.)

hardcover
264 pages
241 x 279 mm
color
2019

published by SKIRA