アメリカ人彫刻家、エヴァ・ヘッセ（Eva Hesse）の作品集。作者はラテックスやグラスファイバーなどの素材を用い、肉感的かつ有機的なフォルムを想起させる作品でよく知られる、ポストミニマリズムの先駆者的存在である。本書は、1970年に作者がこの世を去ったのち、1972年から現在に至るまで開催されてきている展覧会の歴史的記録を読者に提供する。展覧会の企画に携わったキュレーター陣による寄稿文では、展覧会の意図やレセプションのあり方など、展示を作り上げる上での個人的な視点が明らかにされている。加えて、関連するエフェメラを収録してより豊富に展覧会の様子を掲載することで、キュレーター陣のエッセイに歴史的な質感をもたらしている。